東京スカイツリー 総まとめ


Photo by TANAKA Juuyoh (田中十洋) 

2011年の末に完成し、2012年の春に開業予定の東京スカイツリー。

最近は、今しか見られない建設中のタワーを写真に納めるための写真撮影スポットや、刻々と高くなるタワーの様子を動画で紹介するHPなどがテレビでよく紹介されていますよね。

東京都墨田区の押上・業平橋地区で現在建設中の東京スカイツリーは、完成すれば高さ634メートル。
地上デジタル放送の電波塔としては世界一の自立式電波塔となります。

世界各地で高層建築物が次々と計画・建設される中、世界一の自立式電波塔となるために構造等を検討した結果、東京スカイツリーの高さについてはプロジェクト当初「約610m」と予定されていました。

あくまで世界一にこだわった理由は、東京スカイツリーが開業時点で世界一になれば世間の注目がいやが上にも高まり、その機会に乗じて日本、東京、下町のこの地域から日本文化や技術を世界に発信したいと考えたためです。

また、タワーの高さを最終的に634mと決めたのは、高さを決定するにあたり世界一の電波塔、地域のシンボルタワーとして覚えやすい数字であること、かつ印象に残る数字にしたいという思いがあったから。

東京スカイツリーが建設される東京と埼玉、神奈川の一部を含む大規模なエリアはかつて武蔵「むさし=634」の国と呼ばれており、「むさし」は日本人にとってなじみ深い言葉。

したがって、一般に覚えやすい数字として634mが選ばれました。

東京スカイツリーには、伝統建築物である五重塔にみられる心柱制振など日本古来の技が最新技術で再現されています。

450メートルと350メートルの2箇所の展望台から眼下に広がる東京、武蔵の国は一体どのように見えるのか、完成がとても楽しみですね。

スカイツリーのデザイン

東京スカイツリーは、空に向かって伸びる大きな木をイメージしており、大きな木の下に、人々が集い心を寄せ合う様子を表したものと言われています。

名前から連想される澄んだ空や木々の緑は、「人に地球にやさしい、豊かなコミュニティ」を目指すこの街全体の開発コンセプト。

「タワーの元に優しい街が生まれ、世界の人々が集い、新しい文化が創造されていくように」

という願いが込められています。

スカイツリーのデザインは、足元の「三角形」の断面が、頂上に向かうにつれ「円」へと変わり、タワーのラインが連続的に変化していくのが特徴。
三角形から円形へ変化するしなやかな曲線は、凛とした佇まいと優美な雰囲気を感じさせます。

また、見る角度や眺める場所によって多彩な表情を持たせることで、オリジナリティあふれるランドマークになることを意識しています。

東京スカイツリーは、3本足で中央のエレベーターを取り囲みタワーをしっかりと支える仕組み。

「3」という数は、三脚からもわかるように最も少ない単位で安定が得られます。

三角形の形状は、周辺の圧迫感や日影等の影響を考慮した結果による最も合理的な形で隅田川・荒川に囲まれたこの地域の形状を象徴するという意味もあります。

東京スカイツリーのデザインは、日本の伝統美が応用されているのも特徴です。

しなやかな切れ味の日本刀が持つ「そり」、また、寺院や神社の柱によく見られる中央が緩やかに膨らんだ「むくり」など、あちこちに日本古来の美しさが盛り込まれました。

さらに、制震構造にも伝統の知恵が活かされました。
日本の五重塔は、中心を貫く「心柱(しんばしら)」と各層が異なる動きをすることで「ゆれ」を抑えると考えられていますが、東京スカイツリーはこの仕組みを最新のテクノロジーで再現した最先端の制震構造を備えています。

東京スカイツリーのカラーデザイン

東京スカイツリーの塔体は、オリジナルカラーの「スカイツリーホワイト」。
白磁のようにかすかに青みがかった白さが特徴の繊細な色です。

オリジナルカラーの「スカイツリーホワイト」は、日本の伝統色である最も薄い藍染の色「藍白(あいじろ)」をベースに作られました。

基本色が白に選ばれた理由は、「白」が日本の伝統的な美意識を表す色だから。

富士山の頂き、下町の心意気を示す纏(まとい)、お祭の幟(のぼり)などに用いられる「白」は、日本的な潔さ・神聖さを感じさせる色です。

また、「白」の語源は「シル(知)」・「シルシ(印)」で、もともと他からの差異をはっきり認識させるという意味があり、地域のシンボルタワーを現すのにもふさわしいというのも理由です。

青い空にくっきり浮かび上がるよう、鮮やかな白で塗られたタワーの先端部は先進性と未来の象徴。EVシャフトのグレーの色は、白い塔体の造形に奥行き感を与え、タワーのデザインを一層際立たせる働きがあります。

ガラスとメタリック色のパネルで統一された展望台は、白い塔体と調和し東京の空に溶け込むようデザインされました。

「白」は、スクリーンや舞台の背景に使われることからもわかるように、あらゆる物を映しこみ、ライトアップすれば一層豊かな表情を見せることができる色。

東京スカイツリーのライトアップは、省エネ時代を反映し、LEDなど長寿命で高効率な光源を積極的に採用しています。

最先端の照明技術により、照らす部分と陰の部分を一体化させるよう考えられたライティングは、隅田川の水をモチーフに、江戸の心意気「粋」を表現した淡いブルーの光と、江戸紫をテーマカラーに金箔のような光をバランスよくちりばめた「雅」の2種類が1日ずつ交互に現れる新しいスタイルです。

東京スカイツリー正式名称の決定

正式名称の決定にあたっては、一般公募で寄せられた18606件の案の中から、作詞家の阿木耀子、元東京都副知事の青山やすし、彫刻家の澄川喜一などの有識者10人で構成される「新タワー名称検討委員会」によって、まず候補が絞られました。

言葉の美しさ、親しみやすさ、商標登録がされていないことなどを基準に、候補として選ばれた6つの名称が「東京スカイツリー」、「東京EDOタワー」、「ライジングタワー」、「みらいタワー」、「ゆめみやぐら」、「ライジングイーストタワー」。

その後2008年春にインターネットで一般投票が行われた結果、最多の32699票を獲得したのが「東京スカイツリー」だったというわけです。

ちなみに、最初に一般公募で名称募集を行った際、最も多かったのは「大江戸タワー」(492通)。続いて「新東京タワー」、「さくらタワー」、「日本タワー」、「東京スカイタワー」の順でした。

ところが最多の「大江戸タワー」は、タワー建設予定地近くの和菓子屋が、タワーの名称を見越して商標を取得しており、3位の「さくらタワー」は既にプリンスホテルの「さくらタワー」が存在し、商標登録も行われていたため使用できませんでした。

「新東京タワー」も、今存在している東京タワーと似ているため紛らわしく、東京スカイツリーの事業主体と東京タワーを管理する日本電波塔社とは無関係のため、最初の段階で候補から外されることになりました。

「東京スカイツリー」という名称については「長すぎる」などの反対意見もあるようですが、今までこういった建造物には必ずといって良いほど「~タワー」という名前がつくのに対し、「スカイツリー」という名称は新鮮で良いのではないでしょうか。

東京スカイツリーと商業施設

世界一の観光タワーとして注目を浴びている東京スカイツリーですが、押上・業平橋地区周辺では、タワーの建設だけが行われているわけではありません。

事業主体である東武タワースカイツリー(株)は、浅草や錦糸町、両国などの集客拠点に近く利便性の高い立地を生かし、観光タワーを中核とした大規模な複合開発で東東京エリアの新たな観光・産業拠点を形成することを目指しています。

具体的には電波塔のほか、地上31階建てのオフィス棟、中層の商業棟、広場、約1,100台分の駐車場が建設され、店舗、水族館、プラネタリウム、オフィス、ホテル、各種スクール等が入居予定。タワーの内部には350mと450mに2つの展望台が設置され、350m部分にはレストラン・店舗等が出店、高さ450mの展望ロビーの外周には、ガラスで覆われた空中回廊が設けられ、世界一の高さの空中散歩が楽しめます。

詳しい内容はこれから随時発表されていくと思いますが、水族館はオリックス不動産が運営。
スカイツリーの西側にできる商業施設の5~6階に入るようです。

プラネタリウムは、スカイツリーの東側に建設する商業施設の7階に入居。
コニカミノルタプラネタリウム運営で、星空を映すドームの直径は18メートル、約220の座席を設けることになっています。

また、東京スカイツリーの周辺に建設される複合施設は、下町らしい個性あふれる賑わいを演出するそうで、現時点での情報によると、全ての人が楽しめる「新・下町商店街」、つくり手と使い手が交わる「クリエイティブマーケット」、日本を代表するモノや食が大集合した「ジャパンスーベニア」、和洋中エスニックからデザートまでバラエティ豊かなフードコートが入居するとのこと。

東京スカイツリーが開業する来年の春が本当に待ち遠しいですね。(2010年6月に書きました)

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