借りぐらしのアリエッティ 原作「床下の小人たち」あらすじ


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「借りぐらしのアリエッティ」の原作、「床下の小人たち」の作者メアリー・ノートンはイギリスの作家です。

ロンドンで医師の娘として産まれた彼女はもともと演劇を志しており、劇作家兼女優として何年か舞台にたちました。

1927年に結婚、海運業を営む夫とともにポルトガルに移り住みます。
その後、事業の不振からアメリカに渡り、4人の子どもをかかえながら働きました。

1943年にロンドンに戻り、それから演劇活動のかたわら小説を執筆、1952年に発表した『床下の小人たち』でカーネギー賞を受賞しました。

代表作「床下の小人たち」は小人の冒険シリーズの第1作目にあたります。

続編として「野に出た小人たち」、「川をくだる小人たち」、「空をとぶ小人たち」、「小人たちの新しい家」の4冊があります。

5冊目の「小人たちの新しい家」が出版されたのは、4冊目から実に21年後の1982年。
一度完結したかに思われた作品の続編出現は、読者を大いに驚かせました。

あらすじを簡単に説明すると、小人のポッド、ホミリー、アリエッティは3人家族。
イギリスの古風な家の床下で暮らしていました。

彼らは私達人間が想像している小人とは違い、魔法も使えず、空も飛びません。
彼らは、人間たちと同じように生活しています。
ただし必要なものはすべて人間からこっそり借りるという方法で。

マッチ箱はタンスに、郵便切手は壁の絵画に。何でも上手にリサイクルして生活している彼らですが、借りるといっても人間から見れば立派な「ドロボウ」。

見つかったら大変なので、床上へ物を借りに行くのは命がけです。
(といっても彼らが借りて来るものは、どれも人間にとっては些細なものですが・・・)

ところがある日、その家にやってきた男の子にアリエッティが見つかってしまいさあ大変!
というような内容です。

この作品のおもしろい所は、小人たちが人間の物を借りてきて生活しているという設定です。

小人に言わせると、物を盗んだのではなくあくまで「借りている」だけであり、人間は彼ら(小人たち)が借りぐらしをするために存在しているのだということになります。

一家の主、ポッドは借りの名人で、生活に必要なものは何でもポッドが人間にばれないよう上手に借りてきます。

人間のおこぼれや、ほんの些細なものだって彼らにとっては宝物。
人間がこぼしたパンやチーズのひとかけらは、小人にとっては大変なご馳走なのです。

マッチ箱からタンスを作ったり、手袋の指2本分を半ズボンにしたり、糸巻きが椅子に変身したり。

なんて素敵なリサイクル生活でしょう!頭をはたらかせ、日常のなにげないものをリサイクルして使う「借り暮らし」の様子にときめくのは、私だけではないはず。

家の中から物がなくなって見つからないという経験、誰でもありますよね?
ひょっとしたら、それは小人たちの仕業かも!

この物語は全く別世界のおとぎ話ではなく、ひょっとしたらこの世界で、もしかしたら自分の家でも起きているのかも・・・というワクワク感を味わわせてくれます。

また、小人たちと同化し、人間に見つからないように物を借りてくるドキドキ感も味わう事ができます。
小人といっても生活は極めて人間的。日常生活も人間となんら変わる事がなく、感情もとてもリアルです。

父親は毎日床上へ仕事(物を借りる)に出掛け、母親は家事をこなし、娘のアリエッティは母親の手伝いをしながら日々を送ります。

人間と同じように物を欲しがり、うれしい事があれば喜び、悲しい事があれば悲しみ、怒りの感情やひたむきさも持っている。大人が読んでも十分楽しめる小説です。

Kari-gurashi~借りぐらし~(借りぐらしのアリエッティ・イメージ歌集アルバム)

原作の舞台はイギリスですが、今回の映画では舞台は日本です。

これは、原作をアニメーション化するにあたり、宮崎監督が日本を舞台にすると決めたため。

その理由ですが、ただでさえ監督は膨大な仕事量をこなさなければならないのに、イギリスを舞台にしてしまうと勉強に時間がかかり、新人の監督が更に大変になってしまうという判断から。

日本人に限らず、自分が住んでいる国以外の事って実際よくわからないですよね?

知識として表面上は知っていても、旅行をして数週間滞在した程度ではわからないこと、実際に暮らした人でないとわからない部分というものが沢山存在します。

例えば、ハリウッド映画で日本を舞台にした作品は外国人の目にはおかしくないのかもしれませんが、日本人の目から見ると明らかに違和感があり、リアリティを失っているものがよくあります。

ジブリとしては、そんな作品になるのなら、自分たちの国の作品として作ろうと考えました。

ジブリの作品は日本人の作品であり、まず日本人に受け入れられる作品にする事。

自分たちの国のことをきちんと描いた作品だからこそリアリティがあり、世界に出した時も受け入れてもらえるはず。
との理由から舞台が日本になったわけです。

舞台となる屋敷と庭については、物語のメインが小人たちの暮らしであり、屋敷と庭が中心なので、大きな世界については特に決まっていません。

小金井界隈と思ってもらっても良いし、他の何処でも良いというのがジブリの見解のようです。

ただ、モデルになった建物と庭は実在しており、それは青森にある盛美園とのこと。

盛美園は、京都の無隣庵、清風荘とならぶ明治の三名園に数えられる名園で、園内にある「盛美館」は1階が純和風、2階が洋風という和洋折衷のとても美しい建物です。

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